「あー・・・」

時々こんな気分になる
特に理由があるわけでもなく、気分が沈む。
理由もわからないので解決策も見つからないまま、自分だけ世界から置いていかれているような気分になるんだ





あなた色に染まる





「気分最悪です」

「そうかよ」

「そうです」

「なんで敬語だよ つーかそんな顔で俺んトコ来るな うぜーよ」

「跡部『景吾』なだけに敬語で攻めてみました」

「うすら寒ぃ事言ってんじゃねぇよ」

「てゆーか休み時間にクラスで一人さみしく本を読むフリをする跡部が可哀相だったから来てあげたのよ 感謝して」

「大きな世話だ つーかフリじゃなくて読んでんだよ」

「そうですか。・・・はぁっ」



大袈裟にため息をつくと跡部の表情がほんの少し変わった



「なんかあったのか?」

「・・・別にぃー」

「好きな奴でも出来たか」

「・・・だったらどうするー?」

「どうもしねぇけど」

「いや、そこは『協力するぜ』くらいは言おうよ」

「あーん?なんだよ、マジで好きな奴出来たのか?」

「違うけどさぁ」

「ンだよそれ」


わけわかんねーよと言いながらも読んでいた本に栞を挟みカバンにしまった。
どうやら相手をしてくれる気になったらしい(なんだかんだ言って優しいよね)


「なんなんだろう どうしようもないんだろうね」

「あ?」

「あー気持ち悪いよー!すごいやだー」

「・・・お前、マジで大丈夫かよ」

「大丈夫じゃないです」

「・・・・・。」


原因がわからないのでまた辛いところだ
何がこんなに苦しいんだろう 何がこんなに痛いんだろう

あぁ、もやもやする


「跡部はさー、こう・・・理由なくもやもやすることってない?」

「あーん?まぁ・・・なくはないな」

「あーやっぱ跡部でもあるんだ うざいよねコレ・・・はぁ 助けて跡部」

「そうは言ってもな」

「なんかさ、自分が真っ黒に塗りかえられてく感じ。今半分くらい侵食されてる 明日には真っ黒だ」

「明日には治ってんだろ」

「やだ 待ちたくないよー」

「あーうっせぇなー 

「なにー」









「おまえが真っ黒になったら俺が染め直してやるよ 何度でもな」








「・・・・・・・へ?」

「だから安心して黒くなれ」

「あはは、何それ 跡部色に染めてやるってやつ?プロポーズ?」

「あー、それ良いな」

「・・・どこからどこまで本気かな?跡部サン」

「最初から最後までだよ」

「・・・(結局どういうことなのかわかんないんですけど)」

「そんな気分になる暇もないくらい俺のこと考えてりゃ良い」

「・・・・・・・・・・」

「おい、聞いてんのか」

「跡部」

「あ?」





「それは、遠まわしすぎる告白ととってもよろしいんですかね」







跡部はにっこりとわざとらしく笑って(なんかむかつく!)





「お前にしちゃ上出来だな」

「何それ、あたしにしちゃって」

「つか返事は?」

「・・・わかってるくせに」


いじけた様に言うと跡部はいつもみたいにイヤミったらしく笑って、「好きだぜ」って言ってくれた





------------あとがき----------------
よくありますよね もやもや〜って自分がものすごい間違えでもおかしたような気分になることって
クラスの皆さんがいる中で告白すっとばしていきなりこんなくっさいこと言うのは跡部くらいかなと思って跡部。