ある日の部活の中、真田副部長が部員を集めてこんなことを言い出した。













「今からレギュラー限定で鬼ごっこをする!」


















いやいやいやいや、



















テニスをしろよ、お前ら。





「あ、あの・・なんでですか?」

「僕が説明するよ。」


と、部長。


「まぁ、早い話体力をつけるためなんだけどね。
でも普通に練習するんじゃ楽しくないからさ、俺が。
それにコートはいつもレギュラー陣が使ってるし、僕たちが鬼ごっこの間非レギュラーの子達がコート使えばいいし。」




それは確かにそうかもな〜・・・


レギュラーと非レギュラーのコートにいる時間の違いは結構でかいとは常々思ってたんだよね。
まぁ、一年生とかが球拾いばっかなのはしょうがないけど。
レギュラーがテニスが上手くなっていくのに対して非レギュラーが上手くなっていくのはレギュラーのテニスの解説だもんな。切なすぎるよな。


でも、部長が言うと、非レギュラー陣に、
僕たちが遊んでる間にしっかり練習しておけよ、じゃなきゃわかってるね・・・?と言ってるようにしか聞こえないのは何故でしょうか。
魔王の成せる技なのか。




「あ、ついでに言っとくけど。」

「なんですか?」

も参加ね。」

何故ですか!アレですか、一緒に遊んで
じわじわと魔界に馴染ませる気じゃないでしょうね・・・」

「何の話をしてるの?」



「まぁいいじゃん!もやったほうが楽しいって。」

「いやおれは別に良いけど・・・」











そんなわけで











「じゃ、鬼は真田からってことで。
範囲はテニスコート周辺ね。ただしテニスコートの中はダメだよ、他の人が練習してるんだから。」




「・・・真田が鬼って・・・似合いすぎぜよ そのまんまじゃな。」

「ム・・そうか・・・?あ、ありがとう・・」

「いや副部長、それ褒められてるわけじゃないですからね。」











「じゃ、行くよ。真田、ちゃんと十秒数えるんだよ。」

「うむ。では・・・始め!!」







一斉にみんなが副部長から遠ざかる。












「てかなんで俺まで・・・」

「マネージャーも練習相手程度にはなれ、という事じゃないか?」

ぬぉ?!び、びっくりした〜・・・柳先輩。」


ちょうど柳先輩も同じ方向に逃げてきていたらしく、話しかけてきた。


「練習相手って・・・イヤですよ、
レギュラーの相手なんかしてたら生傷が出来たり異世界に飛ばされたり、下手すれば死ぬじゃないですか。」

「お前はテニスを誤解していると思うぞ。」

「いや、テニスというか俺はプレイヤーのほうを正しく認識しているだけですよ。」

「・・・フッ、そうか 面白い奴だな、お前は。」

「そうっすかね〜・・・ってうわ、
真田先輩がしゃがんで十秒数えてますよ!似合わね〜!!

「そう言ってやるな、弦一郎も好きで老け顔になったわけじゃないんだ。」

「ハハ、そっすね・・・って
ギャァアア!!」






数え終えたのか、副部長がものすごい顔でこちらへ走ってくる。

はっきり言って殺人鬼以外の何者でもない。



















「待てー!!」

「待てと言われて待つバカがどこにいる!」

「じゃぁお前がそのバカ一号になればいいだろう!」

「無茶な!」




「ギャハハ!すげー必死じゃん」

「そりゃそうだろ、やる気なくてもあの真田に追いかけられたら誰だってマジになるっつーの。怖くて。

「確かに」





が本気で逃げ回っているのを赤也と丸井は冷静に見ていた・・・が。





「っていうか真田って・・・って
うわー!こっち来るな来るなー!!!



「うぉりゃぁああああ!!」




俺は力の限りは知った。
俺ばっかり追いかけられてたら不公平じゃんか。
ってわけで他のやつに副部長を近づけたらターゲットが変わるかなーと思って比較的近くにいた丸井先輩と赤也のところへ行った。






「捕まえたぞ!」

「・・・ゲ。」

副部長が丸井さんにタッチし、鬼交代。




・・・それにしても、副部長が鬼気迫る声で『捕まえたぞ!』とか言うと殺人事件の犯人でも捕まえたように聞こえるよな・・・


まぁ、それでも
副部長が『タ〜ッチ☆次の鬼は丸井だぞ〜!』とか言い出すよりは何倍もマシだけどな!












その後も、この意味不明な鬼ごっこは続き、そのうちみんながムキになりだして、







赤也は赤目に変身、

丸井さんはケーキを食べる、

柳生さんはレーザービーム、

ジャッカルさんはかめはめ派(の真似)

柳さんは禁断の目を開く、

副部長は泣く、

詐欺師は寝る、

部長は
モンスターを召喚するなど、それぞれ好き勝手やっていたら












テニスコート周辺は戦争の跡地みたいになった。











さすが王者、立海大。


















鬼ごっこ一つとってもレベルが違うんですね。






「うっわ〜・・・コレは、もうアレですよね。
柳さんが目を開いたことによって起きた突然変異ですよね

「違うぞ、
幸村のモンスターの仕業だよ。

「掃除するしかありませんね。」

「掃除・・・よし、ここは一つジャッカル先輩に頼むしかないですね。」

「なんでだよ!」



「まぁ、みんなでやればすぐ綺麗になるよ。頑張ろう!」

「そう言う幸村は帰る準備バッチシじゃん、一人でもう制服に着替えてるし帰る気満々じゃん。」

「・・・まぁ、僕は病人だから。」

「さっき元気にモンスターと遊んでたじゃないですか。」

























「終わった〜!」

「完璧だな!」

「せっかくだし帰りどっか寄ってこうぜ〜。」

「いいですね。」

「あ、じゃぁん家でいいんじゃないですか?」










良くないし!





なんでこいつらすぐ俺の家来たがるの?







「やだよ 普通に飯屋にでもよれば良いじゃないですか」

「え〜・・・じゃぁ肉!ジャッカルの奢りで!

「え?!」


「「「「賛成〜!!」」」」



「・・・・・・」

「どんまい、ジャッカル先輩」


そしてゴチになります。
























このあと焼き肉屋でも、









ジャッカルが俺に愚痴をこぼしてきたり、赤也と副部長が殴り合いになったり、部長があらゆるものに呪いをかけたりなどで、結局第二次魔界大戦がはじまってしまいました。
















青春ってなんだっけ?

そう、真剣に考え直した中二の夏。






幸村は腹黒いつもりでなく普通にただ当たり前にモンスターとか呼べちゃう不思議ちゃんなイメージだったんですが(どんな)
もう完璧怖い人ですね。ギャグだししょうがないってことにしといてください笑